「バス釣りを始めたいけど、道具は何を買えばいいのか分からない」――これはバス釣りに興味を持った人が最初にぶつかる壁です。釣具屋に行くとロッドもリールもルアーも種類が膨大で、店員さんに聞いても専門用語が飛び交って余計に混乱してしまう、という経験をした方も少なくないでしょう。
しかし、バス釣りのスタートに必要な道具は意外と少なく、最初は1万5千円〜2万円程度の予算があれば十分に始められます。高価な専用タックルは経験を積んでから揃えても遅くありません。大切なのは、基本的な道具を正しく選んで、まずはフィールドに立つことです。
この記事では、バス釣り初心者が最初に揃えるべき道具の選び方から、基本的な釣り方、おすすめのフィールドまで一通り解説します。この記事を読み終えるころには、「週末にバス釣りに行こう」と行動に移せるだけの知識が身についているはずです。
バス釣りに必要な道具一覧
最低限必要な道具
バス釣りを始めるために最低限必要な道具は以下の5つです。これだけあれば、すぐにフィールドでバスを狙えます。
- ロッド(釣り竿):バス専用のスピニングロッドが初心者に最適。6フィート〜6フィート6インチのミディアムライトパワーが万能
- リール:スピニングリールの2500番が使いやすい。ベイトリールは慣れてからで十分
- ライン(釣り糸):フロロカーボン4〜6lbが基本。ナイロン5〜6lbでも代用可能
- ルアー:ワーム(ソフトルアー)とハードルアー各2〜3種類あれば十分
- 小物類:フック(針)、シンカー(オモリ)、スナップ、プライヤー、ラインカッター
あると便利なアイテム
必須ではないものの、持っていると釣りが格段に快適になるアイテムです。予算に余裕があれば最初から揃えておくことをおすすめします。
- 偏光サングラス(水中の様子が見えるようになる。バスの居場所を目視できることも)
- タックルボックス(ルアーや小物を整理して収納。100均のケースでも代用可能)
- ランディングネット(バスを取り込む網。堤防や足場の高い場所では必須)
- フィッシュグリップ(バスの口を安全に掴む道具。バスの歯でケガを防ぐ)
- 帽子・日焼け止め(水辺は紫外線が強い。熱中症対策としても必須)

スピニングタックルの選び方
スピニングロッドの選び方
初心者にはスピニングタックル(スピニングロッド+スピニングリール)を強くおすすめします。ベイトタックルは飛距離やパワーで有利な面がありますが、「バックラッシュ」と呼ばれる糸絡みトラブルが発生しやすく、初心者には扱いが難しいのが現実です。
スピニングロッドを選ぶ際のポイントは3つあります。
- 長さ:6フィート〜6フィート6インチが初心者に最適。短すぎると飛距離が出ず、長すぎると取り回しが悪くなる
- パワー(硬さ):ミディアムライト(ML)が万能。軽いルアーから中型ルアーまで幅広く対応できる
- テーパー(調子):ファスト〜レギュラーファストが使いやすい。竿先がよく曲がるのでルアーの操作感が分かりやすい
スピニングリールの選び方
スピニングリールは各メーカーが初心者向けの入門機を出しているため、選択肢は豊富です。予算別のおすすめは以下のとおりです。
- 5,000円以下:ダイワ レブロスやシマノ セドナ。入門機として十分な性能を持ち、基本的な機能は一通り揃っている
- 5,000〜10,000円:ダイワ レガリスやシマノ ナスキー。巻き心地が良くなり、ドラグ性能も向上する
- 10,000円以上:ダイワ フリームスやシマノ ストラディック。長く使える高品質モデル
番手は2500番を選べば間違いありません。バス釣りで使うラインの太さとリールの糸巻き量のバランスが最も良く、軽量ルアーからやや重めのルアーまで快適に扱えます。
ラインの選び方
初心者におすすめのラインはフロロカーボン4〜6lbです。フロロカーボンは水中で目立ちにくく、感度が良いため、ルアーの動きやバスのアタリを感じ取りやすい素材です。ナイロンラインでも代用できますが、伸びが大きい分、感度ではフロロに劣ります。
PEラインは感度と飛距離に優れていますが、結び目が弱く、障害物に擦れると簡単に切れるデメリットがあるため、慣れてから使用するのがおすすめです。PEを使う場合はフロロカーボンのリーダー(先糸)を付けるのが一般的です。
初心者におすすめのルアー
ワーム(ソフトルアー)
バス釣り初心者に最もおすすめなのがワームです。柔らかいプラスチック素材で作られた擬似餌で、バスの食い付きが良く、初めてのバスを最も手軽に釣れるルアーと言えます。
- ストレートワーム(4〜5インチ):シンプルな棒状のワーム。ノーシンカーリグ(オモリなし)で使うと自然にフォールし、バスの警戒心が最も低い状態で口を使わせられる
- グラブ(3〜4インチ):カーリーテール付きのワーム。ただ巻きでテールがヒラヒラと動き、ジグヘッドリグとの相性が抜群
- シャッドテールワーム(3〜4インチ):小魚を模したワーム。ただ巻きでもアクションが出るため、初心者でも扱いやすい
ハードルアー
ワームに慣れてきたら、ハードルアーにも挑戦してみましょう。巻くだけでアクションするタイプが初心者には使いやすいです。
- スピナーベイト:根掛かりしにくく、巻くだけで釣れるバス釣りの万能ルアー。金属ブレードの回転でフラッシングとバイブレーションを同時に発生させる
- クランクベイト:丸いボディのプラグ。巻くだけで一定の深さを泳ぎ、障害物に当たるとイレギュラーなアクションでバスを誘う
- バイブレーション:扁平なボディが水中で小刻みに振動するルアー。遠投性能が高く、広い範囲を効率良くサーチできる

基本的なリグ(仕掛け)の作り方
ノーシンカーリグ
オモリを使わず、ワームとフックだけで構成するシンプルなリグです。ワームが自然にフォール(沈む)するため、バスの警戒心が低い状態で口を使わせられるのが最大のメリットです。オフセットフックの#1〜#2/0にストレートワームをセットするのが基本形です。
使い方は、キャストしてフリーフォール(ラインを出しながら自然に沈める)させるだけ。底に着いたらロッドをチョンチョンと動かして誘い、再びフォールさせます。バイトは「コン」という手元への振動や、ラインが「スーッ」と横に走る動きで判断します。
ジグヘッドリグ
ジグヘッド(針とオモリが一体化したフック)にワームを付ける最もシンプルなリグです。オモリの重さでしっかりボトムが取れるため、水深のあるポイントでも攻めやすいのが特徴です。1/16oz〜1/8ozのジグヘッドにグラブやシャッドテールワームをセットするのが定番です。
ただ巻きでもフォールでも使え、初心者が最も釣果を出しやすいリグの一つです。底まで沈めてからゆっくり巻いてくる「ズル引き」も効果的で、バスが底に張り付いている低活性時にも対応できます。
テキサスリグ
バレットシンカー(弾丸型のオモリ)とオフセットフック、ワームで構成するリグです。最大の特徴は障害物への引っかかりにくさで、水草の中やカバー(障害物)の奥に落とし込んでバスを引きずり出す攻め方が得意です。シンカーの重さは3.5g〜7gが使いやすく、カバーの濃さに応じて重さを調整します。
バスの釣り方の基本
キャスティングの基本
バス釣りではルアーを狙ったポイントに正確にキャストする技術が重要です。最初はオーバーヘッドキャスト(頭上から振りかぶって投げる方法)をマスターしましょう。
コツは、ロッドのしなり(曲がり)を活かすことです。後ろに振りかぶったときにロッドにルアーの重みを乗せ、前に振り出すタイミングでラインを放します。力任せに投げるのではなく、ロッドのしなりで飛ばすイメージを持つと、自然とキャスト精度が上がります。最初は近距離でも構わないので、狙ったポイントの近くに落とせるよう練習しましょう。
バスが潜むポイント
バスは本能的に身を隠せる障害物の近くにいることが多いです。初心者が狙うべきポイントは以下のとおりです。
- 護岸際(コンクリートの壁沿い):壁と水面の境目に小魚が集まるため、バスも寄ってくる。ルアーを壁にぴったり沿わせて引くのがコツ
- 杭や橋脚:流れが当たる構造物の裏側にバスが定位していることが多い。上流側からルアーを流し込むように通す
- 水草の際:水草の端っこ(エッジ)はバスの一級ポイント。ワームを水草の際に落とし込んで誘う
- オーバーハング(木が水面に覆いかぶさっている場所):日陰を作り、虫や小動物が落ちてくるためバスの好ポイントになる
- 流れ込み(インレット):水が流れ込む場所は酸素が豊富で小魚が集まる。特に夏場は流れ込み周辺にバスが集中しやすい
アタリの取り方
バスのアタリ(バイト)は、ルアーの種類や状況によって出方が異なります。ワームの場合は「コンッ」という軽い衝撃や、ラインが不自然に動く(横に走る・沈む)ことでバイトを感知します。ハードルアーの場合は「ガツン」と明確なアタリが出ることが多いです。
アタリを感じたらロッドを素早く煽って合わせます(フッキング)。早合わせ(バイト直後にすぐ合わせる)よりも、少し待ってからしっかり合わせる方が初心者にはフッキング率が高くなりやすいです。ただし待ちすぎるとバスが違和感を感じて吐き出してしまうため、1〜2秒の間がベストです。
初心者におすすめの釣り場
野池(のいけ)
農業用のため池は日本全国に無数にあり、バスが生息している池も多数あります。野池はフィールドが小さいため、バスの居場所を絞り込みやすく初心者向きです。ただし、私有地の池や釣り禁止の池もあるため、看板や地元の情報を確認してから釣りをしましょう。
管理釣り場
バス専用の管理釣り場は、バスが放流されているため釣果が期待できます。道具のレンタルやガイドサービスを提供している施設もあり、手ぶらでもバス釣り体験が可能です。入場料は半日2,000〜3,000円程度が一般的です。
河川・湖
大規模な河川や湖はポイントが広大で、初心者には難易度がやや高めです。しかし、大型バスのチャンスがあるのは大規模フィールドならではの魅力です。初めて河川や湖に行く場合は、地元の釣具屋で最新のポイント情報を聞いてから出かけるのが効率的です。

バス釣りのマナーとルール
キャッチ&リリース
バス釣りは基本的にキャッチ&リリース(釣った魚を放す)が主流です。バスを持ち上げるときはフィッシュグリップで下顎を掴むか、バスの下顎を親指で押さえて「バス持ち」するのが基本です。魚体に極力ダメージを与えないよう、素早く写真を撮って優しくリリースしましょう。
釣り場のマナー
他の釣り人との距離感を保つことは最低限のマナーです。先行者がいるポイントには無断で入らず、声をかけてから隣に入るか、別のポイントを探しましょう。また、ゴミは必ず持ち帰り、切れたラインや使い終わったワームも放置しないようにしてください。釣り場のきれいさを保つことが、釣り禁止の拡大を防ぐことにもつながります。
法律・条例の確認
ブラックバスは特定外来生物に指定されており、生きたまま持ち運ぶことは法律で禁止されています。その場でリリースするか、持ち帰る場合は締めてから持ち帰る必要があります。また、地域によっては釣り自体が禁止されている場所もあるため、事前に確認することが大切です。
バス釣りの上達の秘訣は、とにかくフィールドに通うことです。最初は釣れなくて当然。バスがどこにいて、何を食べていて、どんなルアーに反応するのかは、実釣経験を積むことでしか身に付きません。まずは週に1回でもいいので、同じフィールドに通い続けることが上達への最短ルートです。
バス釣りでは水辺に立つため、ライフジャケット(膨張式でも可)の着用を強くおすすめします。特にボートやカヤックでの釣り、足場の悪い場所での釣りでは必須です。毎年、水辺での転落事故が報告されていますので、安全対策を怠らないようにしましょう。
よくある質問(Q&A)
Q. バス釣りを始めるのにいくらくらいかかりますか?
A. 最低限の道具であれば1万5千円〜2万円程度で始められます。ロッド+リールのセットで5,000〜8,000円、ルアー・ワーム・小物で5,000円前後が目安です。偏光サングラスやバッグなどを含めると3万円程度見ておくと安心です。
Q. スピニングとベイト、どちらから始めるべき?
A. 初心者はスピニングタックルから始めることをおすすめします。ベイトタックルはバックラッシュ(糸絡み)のトラブルが多く、キャストの習得に時間がかかります。スピニングでキャストの基本を覚えてから、ベイトに移行するのがスムーズです。
Q. バスが釣れやすい時期はいつですか?
A. 春(4〜5月)と秋(9〜11月)がバスの活性が高く、初心者でも釣りやすい時期です。特に春の産卵シーズンはバスがシャロー(浅場)に上がってくるため、岸からでも狙いやすくなります。
Q. 何時頃に釣りに行くのがベスト?
A. 朝マズメ(日の出前後の1〜2時間)と夕マズメ(日没前後の1〜2時間)が最もバスの活性が高い時間帯です。日中は暑さでバスの活性が落ちやすいため、特に夏場は早朝の釣行がおすすめです。
Q. ルアーで全然釣れません。エサ釣りの方がいい?
A. ルアーで釣れない原因は「バスがいない場所で投げている」か「レンジ(深さ)が合っていない」ことがほとんどです。まずはバスがいそうなストラクチャー周りを重点的に攻めてみましょう。それでも厳しい場合は、ライブベイト(生きたエサ)を使うのも一つの選択肢です。
バス釣りの基本テクニックについては、ダイワ公式の釣り知識ページが参考になります。また、各地のバス釣りフィールド情報はアングラーズで最新の釣果を確認できます。

