エギングはエギ(餌木)を使ってアオリイカを狙う、ルアーフィッシングの一種です。堤防や磯から手軽に楽しめるうえに、釣れたイカは食べても美味しいという、まさに一石二鳥の釣りです。
ただし、エギングは「シャクリ」と「フォール」のコンビネーションが釣果を大きく左右するため、闇雲にエギを投げても釣れません。イカはエギがフォール(沈んでいく)しているときに抱きつくことがほとんどで、この「フォールの質」がエギングの核心です。
この記事では、エギングの基本動作からシャクリのバリエーション、フォールのコツ、ポイント選びまで、初心者がアオリイカを釣るために知っておくべき情報をまとめました。
エギングの基本動作を覚えよう
キャスト(投入)
まずはエギをポイントに投入します。エギングロッドは8ft前後と長めのため、周囲の安全確認を行ったうえで、オーバーヘッドキャストで投げるのが基本です。
ルアーフィッシングと同じ要領で、人差し指にラインを引っ掛け、ロッドを後方に振りかぶってから前方にリリースします。飛距離は30〜50mを目安にすると十分です。
フォール(沈降)
キャスト後、エギが着水したらラインを少し出して、エギを底まで沈めます。着底したかどうかは、竿先のテンションが抜ける感覚やラインの動きが止まることで判断します。
フォールには2種類あります。
- フリーフォール:ラインを完全にフリーにして、エギを自然に沈める。エギが垂直に近い角度で沈むため、イカに違和感を与えにくい
- テンションフォール(カーブフォール):ラインを少し張った状態でエギを沈める。エギがカーブを描きながら手前に寄ってくるため、広い範囲をサーチできる
シャクリ(ジャーク)
エギが着底したら、竿先を素早く煽ってエギを跳ね上げる動作が「シャクリ」です。この動きでイカの注意を引きつけます。
シャクリの後に再びフォールさせて、イカに抱きつく間を与える――この繰り返しがエギングの基本サイクルです。

シャクリのバリエーション
ワンピッチジャーク
竿をしゃくる動作1回に対してリールを1回転する、最も基本的なシャクリ方です。初心者はまずこのワンピッチジャークをマスターすることが大切です。リズミカルに2〜3回連続で行い、その後にフォールさせるのが標準的な使い方です。
ツーピッチジャーク
竿を2回しゃくる間にリールを1回転する方法です。ワンピッチジャークよりもエギが大きくダートする(左右に飛び跳ねる)ため、広範囲にアピールできます。イカの活性が高いときや、濁りがあってアピール力を上げたいときに有効です。
スラックジャーク
ラインスラック(糸フケ)を出した状態からしゃくることで、エギが横方向にスライドする動きを出します。通常のシャクリで反応がないときの「切り札」的なテクニックで、中〜上級者がよく使うメソッドです。
ボトムステイ
シャクリとは対照的に、エギを底に置いたまま動かさない方法です。産卵期の大型アオリイカや、低活性時にじっくりエサを探しているイカに効果的です。30秒〜1分ほど放置した後にゆっくりシャクリ上げると、ステイ中に近づいてきたイカが反応することがあります。
フォールの質を高めるコツ
ラインメンディング
フォール中に風や潮でラインが横に流されると、エギの沈降姿勢が不自然になります。フォール中は竿先の位置を調整し、ラインが真っ直ぐエギに向かう状態を保つことが重要です。風上にロッドティップを向けてラインを直線的にすると、エギの沈降姿勢が安定します。
フォール中のアタリの取り方
イカがエギを抱くのはフォール中がほとんどです。アタリの出方は「ラインが急にフケる(緩む)」「ラインが横に走る」「竿先にモゾモゾと違和感が出る」など微妙なものが多く、見逃しやすいです。
フォール中はラインとロッドティップに神経を集中させましょう。少しでも違和感があれば、竿を立てて合わせてみることが大切です。

エギの選び方とローテーション
エギのサイズ
エギは号数でサイズが決まり、2〜4号が一般的です。
- 2〜2.5号:秋の子イカシーズン向け。好奇心旺盛な小型イカが反応しやすい
- 3〜3.5号:春の親イカから秋の中型まで対応するスタンダードサイズ。最も出番が多い
- 4号:春の大型アオリイカや風の強い状況で使う。飛距離も出しやすい
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カラーの使い分け
エギのカラーは「下地」と「ボディカラー」の組み合わせで決まります。基本的な使い分けは以下のとおりです。
- 金テープ:朝マズメや夕マズメなど、光量が変化するタイミングで効果的
- 銀テープ:日中の晴天時や澄んだ水質で光を反射してアピール
- 赤テープ:夜間やマズメ時、濁り潮の状況でシルエットがはっきり出る
- ケイムラ(紫外線発光):曇天や水深のあるポイントで発光効果が期待できる
エギングのポイント選び
堤防・漁港
足場が安定していてエントリーしやすく、初心者に最適なフィールドです。堤防の先端部や角、テトラ帯の際、船の係留ロープ周りなど、イカが身を隠せるストラクチャー(障害物)の近くが好ポイントです。
磯
岩礁帯に生息するイカを狙えるため、大型の実績が多いフィールドです。ただし足場が悪く、スパイクシューズやライフジャケットなど安全装備は欠かせません。
サーフ(砂浜)
砂地に隣接する藻場(モバ)があるサーフはイカの回遊ルートになりやすく、遠投力を活かしてエギを送り込める利点があります。
エギングは夜間の堤防で行うことも多い釣りです。ヘッドライトやライフジャケットは安全のために装備しましょう。また、堤防の端や磯場では足元に十分注意してください。
エギングのシーズンとターゲット
春(3〜6月):親イカシーズン
産卵のために接岸する大型のアオリイカを狙えるシーズンです。1kgを超えるサイズも珍しくなく、強烈なジェット噴射を味わえます。ただし春のイカは警戒心が強いため、丁寧なアプローチが求められます。
秋(9〜11月):子イカシーズン
その年に生まれた子イカ(新子)が好奇心旺盛に反応してくれるシーズンです。数釣りが楽しめるため、エギング入門には秋が最適です。サイズは200〜500g程度ですが、初めてのイカの引きを体験するには十分な手応えがあります。
エギングのやり方に関するQ&A
Q. エギングで釣れない原因は何ですか?
A. 最も多い原因は「フォールの時間が短い」ことです。シャクリ直後にすぐ次のシャクリを入れてしまうと、イカがエギを抱く間がありません。フォールは最低でも5〜10秒は取りましょう。
Q. 風が強い日のエギングはどうすればいいですか?
A. 風が強い日は重めのエギ(3.5〜4号)を選び、風に対して横方向にキャストすると影響を軽減できます。ラインメンディングをこまめに行い、エギが流されすぎないように注意しましょう。
Q. エギの沈下速度はどう選びますか?
A. 水深が浅い場所(3m以下)ではシャロータイプ、標準的な水深(3〜10m)ではノーマルタイプ、水深が深い場所や潮が速い場所ではディープタイプを選ぶのが基本です。
Q. エギングで使うPEラインの号数は?
A. PE0.6〜0.8号が標準です。リーダーはフロロカーボンの2〜2.5号を1〜1.5m結びます。PEラインとリーダーの接続にはFGノットが定番です。結び方を事前に練習しておくとスムーズです。
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Q. エギのロストを減らすにはどうすればいいですか?
A. エギのロスト(根掛かりなど)を減らすポイントは3つあります。まず、着底を正確に把握してすぐにシャクリを入れること。長時間底に放置すると根掛かりしやすくなります。次に、藻場の上を攻めるときはシャロータイプのエギを使い、根掛かりリスクを下げること。そして、リーダーを太くしすぎないこと。リーダーが太いと根掛かり時に回収しづらくなるため、2〜2.5号で十分です。
Q. エギングで墨を吐かれたらどうする?
A. イカが墨を吐くのは防御反応で、釣り上げた直後に起こりやすいです。イカを持ち上げるときはエギの位置を確認し、墨が飛ぶ方向に体を置かないようにしましょう。服に墨がついた場合は、乾く前に水で洗い流すと落ちやすくなります。セスキ炭酸ソーダ水に浸けてから洗濯するのも効果的です。
Q. エギングで釣ったイカの持ち帰り方は?
A. 釣れたイカはすぐにクーラーボックスに入れて保冷するのが基本です。イカは鮮度が落ちやすい魚介類なので、氷を十分に用意しておきましょう。ジッパー付き袋に入れてから氷の上に置くと、直接氷に触れて凍傷になるのを防げます。活き締めする場合は、イカの目と目の間をナイフで刺すと体色が白く変わり、締まった合図になります。
Q. エギングで初心者がよくやる失敗は?
A. 初心者に多い失敗は「シャクリが強すぎる」「フォール時間が短い」「同じ場所に投げ続ける」の3つです。シャクリは腕全体ではなく手首のスナップでコンパクトに行うのがコツです。フォールは焦らず5〜10秒は待つようにしましょう。そして、同じポイントに何度も投げているとイカにプレッシャーを与えてしまうため、キャスト方向を変えて広く探ることも大切です。

エギングに使うロッドの選び方について知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。

ルアー全般の種類と使い分けについてはこちらで解説しています。



ショアジギングとの違いや青物狙いについてはこちらの記事もどうぞ。




