「イカの王様」とも呼ばれるアオリイカ。その甘みのある身は刺身にすると絶品で、釣り人なら一度は自分の手で釣ってみたいターゲットです。エギングと呼ばれるルアー釣りが最もポピュラーな狙い方で、専用のルアー「エギ(餌木)」をシャクって沈めるだけのシンプルな操作で楽しめます。
この記事では、アオリイカを狙うための代表的な2つの釣り方――エギングとヤエン釣り――の基本から、釣果を上げるためのコツ、時期・ポイント選びまで詳しく解説します。

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アオリイカってどんなイカ?
アオリイカは、国内のイカ類の中でも最大級のサイズに成長する種類で、胴長30〜50cm、重さ1〜3kgにもなります。透明感のある美しい体が特徴で、生きている時はキラキラと体色を変化させます。
アオリイカの習性として重要なのは以下のポイントです。
- 好奇心が強く、動くものに反応しやすい
- エサ(小魚や甲殻類)を触腕で捕らえてから食べる
- 警戒心が強く、不自然な動きを嫌う
- 夜行性が強く、夜間に活発になる
- 水温18〜26度の温暖な海域を好む
アオリイカの主な釣り方
エギング
エギングは、「エギ(餌木)」と呼ばれるイカ専用のルアーを使った釣り方です。エギを投げて底まで沈め、ロッドをシャクってエギを跳ね上げ、再び沈めて……を繰り返すことでアオリイカを誘います。堤防からでも磯からでも楽しめる手軽さが人気の理由です。
ヤエン釣り
ヤエン釣りは、活きアジなどの小魚をエサにしてアオリイカを狙う独特の釣り方です。アジを泳がせてアオリイカに抱かせ、イカがアジを食べている間にライン上を滑る「ヤエン」という掛け針を投入してフッキングさせます。エギングに比べると大型のアオリイカが狙いやすいとされています。
- エギング:手軽・道具がシンプル・初心者向け・機動力が高い
- ヤエン:活きエサの自然な動きで大型を狙える・独特のスリルがある
エギングのタックルと仕掛け
タックル
- ロッド:エギング専用ロッド8〜8.6ft、MLクラスが標準
- リール:スピニングリール2500〜3000番。ダブルハンドルだとシャクリ時に安定する
- ライン:PEライン0.6〜0.8号
- リーダー:フロロカーボン1.75〜2.5号を1〜1.5m
エギの選び方
エギは3.5号がオールラウンドに使える基準サイズ。春の大型狙いには3.5〜4号、秋の小型(新子)狙いには2.5〜3号を使います。
カラーは水色(クリア)や潮の濁りに合わせて選びます。
- 澄んでいる時:ナチュラル系(ブルー・グリーン・クリア)
- 濁っている時:アピール系(オレンジ・ピンク・赤テープ)
- 朝マヅメ・夕マヅメ:ゴールド系・ケイムラ(紫外線発光)
- 夜釣り:グロー(夜光)タイプ


エギングの基本的な釣り方
シャクリ&フォール
エギングの基本操作は「シャクリ&フォール」の繰り返しです。
- エギをキャストしてボトム(底)まで沈める。着底はラインがフッと弛むことで確認
- ロッドを2〜3回シャクってエギを跳ね上げる
- ロッドを下げてエギをフォール(沈降)させる。このフォール中にイカが抱きつくことが多い
- ラインに違和感(テンションが抜ける・重くなる等)があればアワセる
- 2〜4を繰り返す
アタリの取り方
アオリイカのアタリは、魚のような明確な「ガツン!」ではなく、フォール中にラインのテンションが変わる微妙なものが多いです。具体的には以下のようなパターンです。
- フォール中にラインが「フッ」と弛む(エギが途中で止まっている=イカが抱いている)
- リールを巻いた時に「モワッ」と重みがある
- 竿先に「コンコン」と小さな振動が伝わる
いずれの場合も、ゆっくりとロッドを立ててラインを張り、重みを感じたらアワセを入れます。イカは口が弱いため、魚のような強いアワセは不要で、ロッドをスーッと持ち上げる程度で十分にフッキングします。
ボトムステイ
通常のシャクリで反応がない時は、エギをボトムに着底させたままステイ(放置)するテクニックも有効です。10〜30秒ほどボトムに置いておくと、底をうろつくアオリイカが興味を示して抱きつくことがあります。


ヤエン釣りの基本
タックル
- ロッド:磯竿1〜2号またはヤエン専用ロッド
- リール:スピニングリール2500番。ドラグは緩めに設定
- ライン:ナイロン2〜3号またはフロロカーボン2〜3号
- エサ:活きアジ(10〜15cm程度)
- ヤエン:ラインを滑って送り込む掛け針
ヤエン釣りの流れ
- 活きアジの鼻または背中にハリを刺してキャスト
- アジが泳ぐのに任せて待つ
- ラインがスルスルと出ていったら、アオリイカがアジを抱いた合図
- イカがアジを食べ始めるまでしばらく待つ(焦らないこと)
- イカが安心して食べ始めたら、ラインを張り気味にしてヤエンを投入
- ヤエンがイカまで到達したらアワセを入れてフッキング
ヤエン釣りのポイントは焦らずにイカにしっかりとアジを食べさせること。早すぎるとイカがアジを離してしまい、遅すぎるとアジを食べ終わって去ってしまいます。
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アオリイカが釣れる時期とポイント
シーズン
アオリイカのエギングシーズンは大きく2つに分かれます。
- 春(4〜6月):産卵のために接岸する大型(親イカ)が狙える。1〜3kgクラスも夢ではない
- 秋(9〜11月):春に生まれた新子(小型)が成長してエギに反応するシーズン。数釣りが楽しめ、初心者にはこの時期がおすすめ
時間帯
朝マヅメと夕マヅメが活性が高く、特に夕マヅメからの夜釣りが好実績です。日中でも釣れますが、曇りの日や潮が動いているタイミングが良いです。
おすすめのポイント
- 堤防:足場が良く初心者にもおすすめ。特に外海に面した堤防が好ポイント
- 磯:大型のアオリイカが狙える実績ポイントが多い
- 藻場(海藻が生えているエリア):アオリイカの産卵場所でもあるため、春は特に有望
- 漁港の入口付近:ベイトが多く集まる場所にイカも寄ってくる


釣果を上げるためのコツ
エギのカラーローテーション
同じカラーのエギを投げ続けてもイカが飽きてしまうことがあります。30分〜1時間で反応がなければ、カラーやサイズを変えてみましょう。ナチュラル系→アピール系→ダーク系と、系統の異なるカラーに切り替えるのが効果的です。
フォールスピードを変える
エギには沈む速さの違いによって「シャロー(スロー)」「ノーマル」「ディープ(ファスト)」などのタイプがあります。浅場ではシャロータイプ、深場ではディープタイプと使い分けることで、イカの目の前にエギを届けやすくなります。
風とラインの管理
風が強い日は、ラインが風に煽られてアタリが取りにくくなります。風がある日はラインを海面に付けて管理する「ラインメンディング」を意識しましょう。風上に向かってキャストするとラインが張りやすく、アタリが取りやすいです。
よくある質問(Q&A)
Q. エギングとヤエン、初心者にはどちらがおすすめですか?
A. エギングがおすすめです。道具がシンプルでエサの用意も不要、移動しながら広範囲を探れるのが強み。ヤエンは独特のスリルが魅力ですが、活きアジの確保やヤエンの投入タイミングなど、覚えることが多いです。
Q. エギングで墨を吐かれた時はどうすればいいですか?
A. アオリイカを取り込む際は海面でしっかり墨を吐かせてからランディングしましょう。服に墨が付くと落ちにくいので、暗い色の服で釣行するのが無難です。
Q. アオリイカの保存方法は?
A. 釣れたらジップロックに入れてクーラーボックスで保冷します。直接氷に触れると身が白く変色するので、ビニール袋に入れてから保冷するのがコツです。
アオリイカ釣りに便利なアイテム
- エギケース:エギのカンナ(針)を保護しながら収納できる専用ケース
- ギャフ:大型のアオリイカをランディングする時に使う。タモ網でも代用できるが、ギャフのほうがスピーディに取り込める
- ジップロック(ビニール袋):イカを入れて墨で汚れないようにするためのアイテム。数枚用意しておきましょう
- イカ締めピック:イカの急所を刺して締めることで、鮮度を長く保てる。締めると体が白くなるのが目印
- 偏光サングラス:日中のサイトフィッシング(見えイカ釣り)で、水中のイカの姿を確認できる
アオリイカの美味しい食べ方
アオリイカは「イカの王様」と呼ばれるだけあって、その味は格別です。
- 刺身:アオリイカの刺身は甘みとモチモチ食感が特徴。釣りたてを薄造りにすると、透明感のある美しい刺身が楽しめる
- 天ぷら:身が厚いアオリイカの天ぷらは食べ応え十分。軽く塩で食べるのがおすすめ
- バター醤油焼き:フライパンでサッと焼いてバター醤油で味付けするだけの簡単レシピ
- イカ飯:胴体にもち米を詰めて炊き上げるイカ飯は、アオリイカの旨みがご飯に染み込んで絶品
- 沖漬け:釣りたてのアオリイカを醤油ダレに漬け込む沖漬け。釣り人にしかできない贅沢な食べ方


まとめ
アオリイカは、エギングならエギとロッド・リールだけで手軽に狙えるターゲットです。秋の新子シーズンは数釣りが楽しめて初心者にもおすすめ。シャクリ&フォールの繰り返しが基本操作で、フォール中のラインの変化に集中するのがアタリを取るコツです。
ヤエン釣りは大型狙いのスペシャリスト向けですが、独特のスリルが味わえる釣り方でもあります。どちらの釣り方でも、自分で釣ったアオリイカの刺身は格別の味わいなので、ぜひ挑戦してみてください。
参考情報:SHIMANO アオリイカの特徴と釣り方 | Honda釣り倶楽部 アオリイカの仕掛け | YAMARIA アオリイカ エギング入門


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