釣った魚を自分で捌いて食べる。これは釣り人ならではの醍醐味のひとつ。でも、初めて魚を捌くとなると「どこから手をつければいいの?」と不安になる人も多いはず。この記事では、釣り初心者が最初に覚えたい基本の捌き方(三枚おろし)を、手順に沿ってわかりやすく解説します。包丁の使い方から失敗しないコツまで、丁寧に紹介するので安心してください。

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魚を捌く前の準備
いきなり捌き始めるのではなく、まずは道具と環境を整えることが大切。準備がしっかりできていると作業がスムーズになりますし、仕上がりも格段に良くなります。
必要な道具一覧
- 出刃包丁:魚を捌くための専用包丁。刃が厚く頑丈で、骨を断つことができます。まずは刃渡り15〜18cmのものが使いやすいです
- 柳刃包丁(刺身包丁):刺身を引くための薄くて長い包丁。なくても三枚おろしはできますが、刺身にするなら用意したいところです
- まな板:大きめのプラスチック製が洗いやすくて便利。滑り止めに濡れ布巾を下に敷くこと
- ウロコ取り:専用のウロコ取りがあると作業が楽。なければ包丁の背やペットボトルの蓋でも代用可能
- キッチンペーパー:水分を拭き取るために多めに用意
- 新聞紙・ビニール袋:ウロコや内臓を処理するため
- ボウル:切り身を入れたり、水洗い用に
初心者は「出刃包丁」と「大きめのまな板」の2つを揃えるだけで十分。三徳包丁でも小型魚なら捌けますが、出刃のほうが圧倒的に作業しやすいです。
作業環境のセットアップ
まな板の下に濡れた布巾を敷いて滑り止めにするのが基本。周りにキッチンペーパーとゴミ袋を用意しておき、ウロコや内臓をすぐに処理できる状態にしておきます。シンクの近くで作業すると、洗いながら進められるのでおすすめ。
まな板は魚が丸ごと乗る大きさがあると作業が一気にラクになります。抗菌加工のプラスチック製なら、生臭さも残りにくく洗いやすいです。
基本の下処理:ウロコ取りから内臓除去まで
三枚おろしに入る前に、まずは下処理として「ウロコ取り」「頭落とし」「内臓除去」を行います。
ステップ1:ウロコを取る
ウロコ取りまたは包丁の背を使って、尾から頭に向かってウロコをこそぎ落とします。ウロコは飛び散りやすいので、シンクの中で作業するか、大きなビニール袋の中で行うと後片付けが楽。背ビレの際や腹の部分は取り残しやすいので丁寧に。
ステップ2:頭を落とす
胸ビレと腹ビレの後ろあたりに包丁を入れ、頭を落とします。片面から斜めに包丁を入れ、中骨に当たったら魚を裏返して反対側からも包丁を入れます。最後に中骨を断ち切るイメージで切ると綺麗に仕上がります。硬い骨は出刃包丁の根元(あご)部分を使うと力が入りやすいです。
ステップ3:内臓を取り出す
頭を落としたら、腹の部分に包丁を入れて内臓を取り出します。包丁の先で腹を肛門まで切り開き、内臓をかき出します。中骨の血合い(背骨に沿った赤黒い部分)は、包丁の先で膜を切ってから歯ブラシや指先でこすり落とします。血合いが残ると生臭さの原因になるので丁寧に。
ステップ4:水洗い
内臓を取り出したら、流水でお腹の中をきれいに洗います。血合いの残りや内臓の破片をしっかり流すこと。洗い終わったらキッチンペーパーで水分をしっかり拭き取ります。水気が残ったまま捌くと包丁が滑りやすくなり、仕上がりも悪くなります。


三枚おろしの手順
下処理が終わったら、いよいよ三枚おろしに入ります。三枚おろしとは、魚の身を右半身・左半身・中骨の3つのパーツに切り分ける技法のこと。この技術を覚えれば、ほとんどの魚を自分で捌けるようになります。
ステップ5:腹側から包丁を入れる
まな板に魚を置き、腹側を手前にします。腹側から中骨に沿って包丁を入れていきます。最初は皮に浅く切れ目を入れるガイドラインを作り、その線に沿って少しずつ深く切り進めます。一度で骨まで切ろうとせず、2〜3回に分けて包丁を走らせるのがコツ。
ステップ6:背側から包丁を入れる
魚を反転させて、今度は背側から中骨に沿って切り進めます。腹側と同様に、浅い切れ目をガイドにして少しずつ深く切っていきます。中骨の感触を包丁で感じながら、骨に沿わせるように動かすのがポイント。
ステップ7:片身を外す
腹側と背側の切れ目がつながったら、尾の付け根から包丁を差し込んで、中骨と身を切り離します。包丁の刃先が中骨に沿うように意識すると、身に骨が残りにくいです。これで片身(1枚目)が外れます。
ステップ8:もう片方も同様に
魚を裏返して、同じ手順でもう片方の身も外します。これで右半身・左半身・中骨の三枚に分かれ、三枚おろしの完成。
三枚おろしのコツは「包丁を中骨に沿わせること」と「力を入れすぎないこと」。力まかせに切ると身がボロボロになってしまいます。包丁の重さを利用してスーッと滑らせるイメージで。
腹骨の処理と皮引き
腹骨をすく
三枚におろした身には、腹の部分に腹骨(ガンバラ)が残っています。包丁を腹骨の下に滑り込ませるようにして、薄くすき取ります。この工程は少し難しいので、最初は多少身が残っても気にしなくて大丈夫です。残った部分は味噌汁やあら汁の具にすれば無駄なく使えます。
皮を引く
刺身にする場合は皮を引く(剥がす)作業が必要。尾側の端の皮と身の間に包丁を差し込み、皮を左手でしっかり押さえながら、包丁を小刻みに動かして身を切り離していきます。コツは、包丁の刃先をまな板に押し当てながら皮を引っ張ること。皮がぴんと張った状態を保つとうまくいきます。
刃渡りのある柳刃包丁を使うと、引き切りの一動作で皮と身を離しやすく、刺身の断面もきれいに仕上がります。
中骨の小骨を取る
魚の種類によっては、身の中央に「血合い骨」と呼ばれる小骨が残っています。指で触って骨の位置を確認し、骨抜き(毛抜きのような道具)で1本ずつ引き抜きます。骨の方向(頭側に向かって斜めに刺さっている)に沿って引くと、身を崩さずに抜けます。


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初心者が練習するのにおすすめの魚
いきなり高級魚で練習するのはもったいないですし、失敗したときのダメージが大きいです。初心者は以下の魚から始めるのがおすすめ。
アジ
サイズが手頃で骨の構造がわかりやすく、三枚おろしの練習には最適な魚。スーパーでも手頃な価格で手に入るので、釣りに行く前にスーパーの魚で練習するのもアリ。刺身(たたき)にしても塩焼きにしてもおいしいです。
サバ
アジより少し大きいので、包丁を動かす感覚をつかみやすいです。身が柔らかいので丁寧な扱いが求められますが、その分「力加減」を覚えるのに適しています。
イナダ(ワカシ)
ブリの若魚で40cm前後。中型魚の捌き方の練習にちょうどいいサイズ。骨がしっかりしているので、中骨に沿わせる感覚がわかりやすいです。
捌くときの失敗あるあると対処法
身に骨が多く残る
包丁が中骨から離れてしまい、骨側に身が残るパターン。包丁の角度を意識して、常に骨に沿わせることを心がけましょう。最初は骨に身が残っても、あら汁や骨せんべいにすれば無駄にはなりません。
皮引きで身がボロボロになる
皮引きは最も難しい工程のひとつ。コツは包丁を前後に小刻みに動かすことと、皮側をしっかり引っ張ること。うまくいかない場合は、皮つきのまま炙りにする方法もあります。バーナーで皮を炙ると香ばしくなって美味。
内臓を傷つけて身に臭いが移る
腹を開くときに包丁を深く入れすぎると内臓を傷つけてしまい、苦い胆汁が身に付着します。包丁は浅く、先端だけで切り進めるのがポイント。もし付着した場合は、流水ですぐに洗い流せば被害を最小限にできます。
包丁の取り扱いには細心の注意を。出刃包丁は非常に切れ味が鋭いため、魚を押さえる手の指先は常に包丁の進行方向から外しておくこと。怪我をしてしまっては元も子もありません。
捌いた後の活用法
刺身・たたき
鮮度の良い魚は刺身が一番。三枚におろして皮を引き、骨を抜いたら好みの厚さに切るだけ。アジの場合は細かく叩いて薬味と混ぜる「なめろう」も格別。
塩焼き・煮付け
三枚おろしの練習で形が崩れてしまった身は、塩焼きや煮付けにすれば見た目を気にせずおいしく食べられます。メバルやカサゴは煮付けにすると絶品。
あら汁・骨せんべい
頭や中骨、腹骨は捨てずにあら汁に。良い出汁が出て、身の美味さとはまた違った味わいが楽しめます。中骨は低温の油でじっくり揚げると骨せんべいになり、おつまみにぴったり。
よくある質問(Q&A)
Q. 出刃包丁がなくても魚は捌ける?
小型魚(アジ・メバルなど)であれば三徳包丁やペティナイフでも捌けます。ただし、中型以上の魚になると骨を断てないため出刃包丁が必要。これから魚を捌く機会が増えるなら、1本持っておいて損はありません。
Q. 捌いた後の生ゴミの処理はどうする?
ウロコ・内臓・頭などはニオイが出やすいため、ビニール袋で二重にして密封し、ゴミの日まで冷凍保存するのがベスト。冷凍すればニオイが抑えられます。
冷凍庫に入れるスペースがないときは、ペット用などで使われる防臭袋に入れておくとニオイ漏れを抑えられます。
Q. 魚を捌くのはいつがいい?釣った当日?翌日?
当日のうちに内臓を取り除くのがベスト。身が傷むのは内臓から始まるため、下処理だけでも当日中に済ませておきたいところです。三枚おろしは翌日でも問題ありません。
Q. 魚の種類によって捌き方は変わる?
三枚おろしの基本手順はほとんどの魚に共通していますが、魚種によって注意点は異なります。例えば、タチウオは体が薄くて長いため三枚おろしではなく背開きにすることが多いです。イカは魚とは構造がまったく違うので専用の捌き方があります。カレイやヒラメは五枚おろしという手法を使います。まずはアジの三枚おろしをマスターして、そこから応用を広げていくのが効率的。


まとめ
魚の捌き方は、ウロコ取り→頭落とし→内臓除去→三枚おろし→腹骨すき→皮引きという手順を覚えれば、ほとんどの魚に応用できます。最初は時間がかかっても、回数を重ねるごとにスムーズにできるようになります。
大切なのは「最初から完璧を目指さないこと」。多少形が崩れても、自分で釣って自分で捌いた魚の味は格別。三枚おろしの詳しい動画やイラスト付き解説は、デリッシュキッチンの三枚おろし解説やBE-PALの魚捌きガイドも参考になります。まずはスーパーのアジで練習して、次の釣行では自信を持って釣った魚を捌いてみましょう。
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