堤防釣りは海釣りの中でも最もアクセスしやすく、初心者からベテランまで幅広い層に愛されている。しかし、堤防で使える仕掛けの種類は意外と多く、「どの仕掛けを使えばいいのかわからない」と悩む人も少なくない。
仕掛けの特徴と使い分けを理解すれば、狙える魚の幅がぐっと広がる。この記事では、堤防釣りで使われる代表的な仕掛けを種類別に解説し、それぞれの得意な場面やターゲットを詳しく紹介していく。

堤防釣りで使う仕掛けの全体像
堤防釣りで使われる仕掛けは、大きく分けると以下の5種類がある。
- サビキ仕掛け
- ウキ釣り仕掛け
- 投げ釣り(ちょい投げ)仕掛け
- 胴突き仕掛け
- 泳がせ釣り仕掛け
それぞれ狙える魚や使い方が異なるため、状況に応じて使い分けるのが堤防釣りの楽しさでもある。
サビキ仕掛け
サビキ仕掛けは堤防釣りで最も人気が高く、初心者が最初に体験する釣り方として定番だ。擬似餌(サビキバリ)が複数本ついた仕掛けで、アミエビを詰めたカゴと一緒に使う。
仕掛けの構成
- サビキバリ:魚皮やスキンが巻かれた擬似餌。4~6本の針がついたものが一般的
- コマセカゴ:アミエビを入れるカゴ。上カゴ式と下カゴ式があり、初心者は下カゴ式が扱いやすい
- オモリ:仕掛けを沈めるためのもの。カゴと一体型のものが多い
ターゲット
アジ・イワシ・サバ・コノシロなどの回遊魚がメインターゲット。群れが回遊してくれば一度に複数匹が釣れることもあり、数釣りが楽しめる。
針のサイズ選び
針のサイズ(号数)は狙う魚の大きさに合わせて選ぶのが基本だ。
- 豆アジ・カタクチイワシ(5cm程度):3号以下
- 小アジ・マイワシ(10cm程度):4~5号
- 中アジ・サバ(15cm以上):6号以上
迷ったら5~6号を選べば、夏から秋のサビキ釣りにはほぼ対応できる。シマノのサビキ釣り入門ページでも詳しい解説が読める。
サビキ仕掛けには「ピンクスキン」「ハゲ皮」「サバ皮」「ケイムラ」などの種類がある。水が濁っているときはケイムラや夜光タイプ、澄んでいるときはハゲ皮やサバ皮などナチュラル系が効果的だ。
ウキ釣り仕掛け
ウキを使って魚のアタリを目で見て楽しめる、海釣りの代表的な仕掛けだ。
仕掛けの構成
- ウキ:玉ウキや棒ウキなど。アタリがあるとウキが沈んだり動いたりする
- ハリス:道糸と針をつなぐ細い糸
- ガン玉(オモリ):ウキのバランスを調整する小さなオモリ
- ウキ止め・シモリ玉:タナ(深さ)を調整するための小物
ターゲット
メバル・チヌ(クロダイ)・グレ・セイゴ・アジなど幅広い魚が狙える。エサや仕掛けの深さを変えるだけで、狙える魚が変わるのがウキ釣りの面白さだ。
タナの調整がポイント
ウキ止めの位置を変えることで、仕掛けが沈む深さ(タナ)を調整できる。表層を泳ぐ魚を狙うなら浅く、底付近の魚を狙うなら深くセットする。最初は底から50cm上くらいに合わせて、反応を見ながら調整するのがおすすめだ。

投げ釣り(ちょい投げ)仕掛け
仕掛けを沖に投げて、底に住む魚を狙う釣り方。本格的な投げ釣りとちょい投げ釣りがある。
ちょい投げ仕掛けの構成
- 天秤:L字型の金属パーツ。道糸と仕掛けをつなぎ、絡み防止の役割もある
- オモリ:3~10号程度。天秤と一体型のものが扱いやすい
- 針:流線型の針が2~3本ついた仕掛け。6~8号が標準的
ターゲット
キス・ハゼ・カレイが3大ターゲット。他にもメゴチやイシモチなど、砂地の底に住む魚が釣れる。キスは夏、カレイは冬がシーズンだ。
エサの選び方
投げ釣りではイシゴカイ(ジャリメ)やアオイソメなどの虫エサが定番。キス狙いならイシゴカイが食い込みやすく、カレイ狙いならアオイソメの房掛け(複数匹を1つの針に付ける方法)が効果的だ。
釣り方のコツ
仕掛けを投げたらオモリが着底するのを待ち、糸を張って竿先に適度なテンションをかける。数分ごとにゆっくりリールを巻いて仕掛けを少しずつ手前に寄せると、広い範囲を探ることができる。置き竿にして待つスタイルでもOKだ。
投げ釣りでは後方に人がいないか確認してからキャストすること。オモリが当たると大怪我につながる。混雑した堤防では特に注意が必要だ。
胴突き仕掛け
仕掛けの一番下にオモリを付け、そこから上に枝状の針が出ている仕掛け。足元にそのまま落とすだけで使えるシンプルさが魅力だ。
仕掛けの構成
- 幹糸:メインの糸。ここから枝ス(エダス)が出ている
- 枝ス+針:2~3本が一般的。エサをつけた針が水中で自然に漂う
- オモリ:仕掛けの最下部に付ける。3~10号程度
ターゲット
カサゴ・メバル・ソイ・ベラ・ハタ類など、堤防の際や岩の隙間に潜む根魚(ロックフィッシュ)がメインターゲット。アジやイワシが回遊してきたときに釣れることもある。
使い方
堤防の際にそのまま仕掛けを落とし込むだけ。底まで沈めたら少し持ち上げて、ゆっくりと上下させてアタリを待つ。テトラの隙間や堤防の壁際など、ストラクチャー(障害物)のそばを重点的に探ると釣果が出やすい。釣具のポイントの仕掛け講座でも基本がまとめられている。

泳がせ釣り仕掛け
サビキ釣りで釣った小魚をエサにして、大型魚を狙う釣り方。堤防から思わぬ大物が釣れることもある。
仕掛けの構成
- ウキ:大きめの遊動ウキ。生き餌の動きでウキが沈むこともあるので、浮力の大きいものを選ぶ
- 針:チヌ針やセイゴ針の6~10号程度
- ハリス:フロロカーボン4~6号が目安
ターゲット
ヒラメ・マゴチ・青物(ブリ、カンパチなど)・スズキ(シーバス)・ヒラメなどの大型魚が狙える。
やり方のポイント
サビキで釣った小アジやイワシの背中に針を刺して泳がせる。エサの小魚が元気に泳いでいることが大切なので、弱ってきたらすぐに交換しよう。アタリがあっても慌てず、しっかり食い込むまで待ってからアワセを入れるのがコツだ。
仕掛けの選び方ガイド
どの仕掛けを使うか迷ったら、以下の基準で選ぼう。
- 数を釣りたい・ファミリーで楽しみたい → サビキ仕掛け
- 特定の魚を狙いたい・アタリの駆け引きを楽しみたい → ウキ釣り仕掛け
- 砂地の底にいる魚を狙いたい → 投げ釣り(ちょい投げ)仕掛け
- 足元の根魚を手軽に狙いたい → 胴突き仕掛け
- 大物を狙いたい → 泳がせ釣り仕掛け
堤防釣りのベストな楽しみ方は、サビキ仕掛けで小魚を釣りながら、同時に泳がせ仕掛けで大物を狙うパターン。2本の竿を使い分ければ、退屈する時間がほぼなくなる。
よくある質問(Q&A)
Q. 初心者が最初に買うべき仕掛けは?
サビキ仕掛けが一番のおすすめ。釣れる確率が高く、特別なテクニックも必要ない。1パック数百円で買えるので、コストパフォーマンスも抜群だ。
Q. 仕掛けは自分で作る?市販品でいい?
初心者は市販の完成仕掛けで十分。針にハリスが結んであり、天秤やオモリがセットになったものも多い。釣りに慣れてきたら自作にチャレンジするのも楽しい。
Q. 仕掛けのストックはどれくらい持っていくべき?
サビキ仕掛けなら2~3パック、ちょい投げやウキ釣りなら予備を含めて3セット以上あると安心だ。根がかりで仕掛けをロストすることもあるので、予備は多めに準備しておこう。
Q. 夜の堤防釣りではどの仕掛けがいい?
夜釣りでは電気ウキを使ったウキ釣り仕掛けが定番だ。メバルやセイゴ、アジなど夜行性の魚を狙える。胴突き仕掛けでカサゴを狙うのも楽しい。ケミホタル(発光体)を仕掛けに付けると、暗い中でもアタリが見やすくなる。
Q. 仕掛けが絡まったらどうする?
仕掛けが絡んでしまったら、無理に引っ張らずに糸の端を見つけてゆっくりほどく。どうしてもほどけないなら、新しい仕掛けに交換したほうが時間のロスが少ない。仕掛けの絡みを防ぐには、キャスト時にしっかりとオモリの重さでラインを張った状態を作ることと、風向きを考慮して仕掛けを投入することが大事だ。
Q. 堤防釣りに竿は何本持っていくべき?
初心者なら1~2本で十分だ。サビキ用に1本、ちょい投げやウキ釣り用にもう1本という組み合わせが使いやすい。竿が増えすぎると管理が大変になるし、周囲の釣り人の迷惑にもなりかねない。まずは少ない本数で確実に楽しもう。
Q. 子どもと一緒に堤防釣りをするなら?
子ども連れならサビキ仕掛け一択と言ってもいい。エサ付けの手間が少なく、アミエビをカゴに入れるだけで始められる。釣れる確率も高いので子どもが飽きにくいのも大きなメリットだ。竿は1.5m~2m程度の短いものが子どもでも扱いやすい。柵のある堤防を選べば安全面でも安心だ。

まとめ
堤防釣りの仕掛けは、サビキ・ウキ釣り・投げ釣り・胴突き・泳がせの5種類が基本。それぞれ狙える魚や釣り方のスタイルが異なるため、自分が何を釣りたいかを軸に仕掛けを選ぶのが正解だ。
初心者はまずサビキ仕掛けで「魚を釣る楽しさ」を体感してから、ウキ釣りやちょい投げに挑戦してみよう。堤防は仕掛けの種類を増やすほど、狙える魚も楽しさも広がっていく。

